演目/カラクリヌード

観劇日時/09.12.19.
劇団名/演劇カンパニー 札幌の人
公演回数/旗揚げ公演
脚本・演出/すがの公 舞台美術/佐々木陽子
照明/山本ゆか 音響/高橋雲 衣裳協力/佐藤ひろみ
企画・制作/ハムプロジェクト
劇場名/札幌・中央区・シアターZOO

先鋭的な企画

 
舞台前面から奥までを縦に三等分して、中央の部分を舞台端から奥まで50aほどの高さの台を造り、上下(かみしも・舞台左右)のそれぞれの各3分の1ずつの空間はそのままに残しただけの、何もない舞台装置。
18人の登場者たちは全員黒ずくめの衣裳でその左右の空間に陣取って、時に応じてその台に上がって演技をする。それはほとんどシュプレヒコールのようだ。
物語というのは判然とはしない。近未来のSFっぽいものだ。地下6千bの地底で、武器の部品となる希少金属を掘っている奴隷のような半人造人間と地上6千bの高層建築の上階に住むエリート人間たちとの葛藤の物語のようだけども、よく分らない。
それは何故かというと、一つ一つのエピソードに繋がりが感じられないこと、そしてその一つ一つのエピソードが個人的な小物語の傾向にあること、そしてそれが大物語とどう繋がるのか、などだと思われる。僕はどうしても物語原理主義だから評価は低くなるのは止む得ないのだが……
さらに疑問なのは『カラクリヌード』というタイトルが僕の中では、内容との整合性が分らないことにもあるのだ。
だが翻って考えてみると、この冒険とも言える表現方法は今や逆に新鮮でもあって、何かを期待したい方向性を持っているのではないかと苦しい弁解をしたい。
出演は、赤沼政文・岡村智明・重堂元樹・谷口健太郎・
中塚有里・原田充子・福地美乃・渡邉ヨシヒロ
そのほか育成メンバーが10人出演
 この18人が、様々な役を演じるが、8名の札幌の人は主な役を演じる。