演目/十二月組曲

観劇日時/09.12.8.
劇団名/弦巻楽団
公演回数/#10
作・演出/弦巻啓太 演出助手/山崎亜莉紗・小林泉
照明/稲田桂 音響効果/丹治誉喬 宣伝美術/石上エリ
劇場名/札幌・中央区・シアターZOO

世紀末の破壊と再生

 
十年前の20世紀最後の12月、「汚濁に満ちた20世紀を焼き払う会」という一種のオカルト集団の人たちの物語。
この集団は、見かけによらず健全な集団だ。20世紀の悪しき足跡をこの際すべて抹殺して、新しい希望に満ちた21世紀を作ろうという童話的神話的思想だからだ。
その大枠は素晴らしい。だが実際に舞台化された物語は、いかにも小物語の集積だ。
一つ一つの物語が小さな市民生活の取り留めもない小物語なのだ。だが実はその小物語が実は世界を象徴する比喩だとしたらどうであろう? そう思わせる枠組みの巧みさは感じられる。
全ての物語は、二つの物語りに収斂される。一つは夫が殺人を犯した妻とその息子と被害者の夫の関係。そこになんらかの痴情関係があったのか? その子供の高校生の女の子の被害者の中年男に対する慕情。
それらが錯綜して物語が混乱する。おそらく21世紀に対する希望はまた同じことの繰り返しであろうかというペシミズムなのか? 年末に向けての一つの決意であろうか。
出演者、塚本智紗・丸山將 橋本久美子・塚本雄介・棚田満・楽太郎・石川藍・藤谷真由美・佐井川淳子・
佐藤春陽菜・茅原一岳
この人たちが、いろいろな人物になって登場する。