■■寄 稿■■
 
僕の敬愛する古い友人からの私信ですが、僕 が私有するのは勿体ないような考察だったので、ご本人の了解を得て、編集の上ご紹介いたします。

 「どくんご」のネーミング 
千葉県在住の一愛読者


 
僕は残念ながら「どくんご」の舞台を観劇できなかったのですが、この独特の劇団名について僕のある思いを述べて祝祭体験の輪の中に入りたいと思いました。
 僕は子供のころ、4年間だけ鹿児島に住んだことがあります。鹿児島では「〜んご」というのは、「〜んごっ」と発音されると思いましたが、「〜の如くある」という古風な日本語に由来しているのではないかと思えます。
 意味するところは「まるで〜のようだ」「まるで〜だ」というニュアンスのように思えます。
 「〜の如くある」の由来の方言は、鹿児島に限らず九州に広くあって親戚の大勢居る福岡でもよく使います。福岡では「〜の如くある」が「〜のごたる」「〜のごつ」というように省略・変化しています。
 鹿児島では「〜の如くある」の「の」が「ん」に変化し「如くある」が「ごつある」から「ごっあっ」に、そして「ごっ」に省略されて使用します。つまり「〜んごっ」です。ちなみに「っ」は発音しないのです。
 鹿児島では例えば「夢んごっ」といえば「夢みたい」という意味で使っていた記憶があります。
 だから「どくんご」は、ひょっとしたら「どくんごっ」であってその意味するところは「毒みたい」あるいは「毒さながら」「まるで毒」なのかもしれないと思うわけです。
聞けば「どくんご」は鹿児島に本拠地を置いているというではありませんか? 鹿児島の言葉にその名前のルーツがあるというのは偶然とは思えません。
以上が僕の劇団名に関する一考察です。いかがでしょうか。劇団名についてだけでもいろいろ考えさせてしまう「どくんご」は、本当にすごいなあとしみじみ思いました。
ぜひ来年はどこかの地で、「どくんご」を観て、その祝祭的空間に身を置いてみたいなあと思っています。           
09年12月21日