■■編集後記■■


 
☆ 前号の訂正         09年12月1日
前号には大きな間違いがありました。劇団『どくんご』の出演者「暗悪健太」さんのお名前を「暗黒健太」と表記してしまいました。
P41の紹介と、P53の写真キャプションの2箇所です。シールを貼って修正しましたが、改めてお詫びいたします。

☆ 近況報告
暮れから正月に掛けて半月ほど東京で遊んでいた。多少の言い訳をすると、やっぱり年齢のせいか家族のところへ行くと気が緩んで体調不良を起こすようだ。
だから積極的な行動が億劫になって、何となく出不精になってしまい芝居も4本しか観ないで、でも酒を切らしたことはなかったので、精神的な怠惰でしかないと思うのだが……
そしてこれではいかんと思い、急いでやっと帰郷したとたんに待っていたのは、地元の演劇祭の進行作業だった。その詳細は地元紙『北空知新聞』(10年1月30日付)に書いた次の連載コラムをご覧ください。

「市民演劇祭」           10年1月20日           
毎度言っていることだが、人口わずか1万5千人ほどの深川という地方ミニ都市に、演劇の劇団が6つもあることは不思議だとしか言いようがない。おそらく全国的にも珍しい現象だと思われる。
そのうちの高齢者劇団『浪漫劇場』は3年前の誕生で、好評をいただき市内各地の秋祭りにも招待されて上演、去年出来たばかりの高校生の学外劇団『F.A-muse』は札幌でも招聘上演された。
今年はその二つの劇団を別にした先輩劇団4つが「深川市民演劇祭」と銘打って2月7日から3月14日に亙って毎週日曜日、文化交流ホール「み☆らい」で連続公演を行う。
しかもその間の2月20日〜21日の二日間には、拓殖短大が恒例のミュージカルを上演する。
つまり2月から3月に掛けて深川では自前の演劇公演が5回も上演されるのだ。何と豪勢なことか!
僕は月平均10〜12本の舞台を観るが、地元だけで5本も観られるのはおそらく初めてであろうか。まあ2月に3本、3月に2本と分散はするのだが……
この現象には様々な要因があるのだが、一つ考えられるのは「深川市舞台芸術交流協会」の助力が大きいことは間違いないと思われる。
演劇を創るには莫大なお金と大勢の人たちの時間とが必要だ。しかもその人たちが同じ時間帯に集まらなければならないという厄介な宿命がある。しかも最近は仕事や家庭や他の行事が多くて演劇に集まるエネルギーが少なくなる傾向が強い。そこで力を発揮するのが、この「舞台芸術交流協会」なのである。
実は、この4劇団の実力は正直いって抜群に高いとは言われない。と言ってどうにもならない力量でもない。アマチュァの集団としては水準を抜けていると言っても良いと思われるくらいの力は持っている。
まず、市民演劇祭トップの2月7日には幾つかの短編演劇を並べて上演する。ちょうど花園公園では雪祭りが開催中であるが、演劇祭会場の「み☆らい」は、その花園公園のすぐ近くである。雪祭りの帰りにでも気軽に寄ってみてはいかがでしょうか? お客様の参加鑑賞が地元のこういう大事な芽を育てる大きな力になるのです。そして一緒に演劇を楽しむ仲間にも入りませんか!
演劇随想個人季刊誌『続・演劇片々』主宰 松井哲朗
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そして、その後の2月7日、鷹栖町メロディホールでの『熱闘三分間劇場』という催しに参加するべく全精力を使い果たしたが、何とか「審査員賞」に入賞してスタッフ・キャストの努力は報われた。

☆ 今期に観たその他の舞台
椅子(斎藤歩・原子千穂子)
tps  12月30日 シアターZOOスタジオ1

☆ 報告二つ
・ 早川書房刊・雑誌『悲劇喜劇』3月号の「09年度の収穫」と題して、今年も原健太郎さんのご執筆で『観劇片々』が誌名と氏名だけですが、紹介されました。
・ 札幌で新しく出来た劇団『座・れら』が演劇雑誌『風』を創刊。2月20日創刊号に「09年の道内演劇シーンを劇評をつうじて振り返る」と題した拙稿が掲載されました。これは一年分4冊の『観劇片々』から抜粋して再構成した文章です。