演 目
綺談百夜
観劇日時/09.9.26.
劇団名/劇団 怪獣無法地帯
構成/棚田満 照明/稲田桂 音楽/今井大蛇丸と海底軍艦 音響操作/長流3平 
チラシデザイン/中村犬蔵
制作/要害里奈

怖い話の要件

 怖い話っていうのは、聞いている人の潜在意識の中に、きっと自分の弱みが隠されている話なんだと思う。だけど、その因果関係がはっきりと分からないから、もしかして自分に降りかかるんじゃないかと恐れるのが怖い話なんだ。
そういう弱みや欠点を持っているのが人間であって、自分も何時そういう怖い陥穽に落ちるかもしれないという恐怖に襲われるのが「怖い話」なのであろうと思う。
そうは思わないという人は、よっぽど過剰な自信家か単なる鈍感な人かであろう。
だから最初から、誰が誰をどう思っているのかが分かってしまうと、話の先行きが想像され「やっぱりそうなったか」という展開になり、危機感による緊張感はあっても、わが身に降りかかりそうな怖さは少ない。サスペンスであってもホラーではなく、この二つは本質的に違うと思う。
 この3作品はすべて話の展開が想像される。つまり人間関係が初めから分かっているから予定調和の展開なので、他人事だから余り怖くないのだ。

●演目1  或る夜 
作・演出/忠海勇
出演/泉清高・濱道俊介・荻田美春

●演目2  遺体 
作・演出/渡邉ヨシヒロ
出演/重堂元樹・渡邉ヨシヒロ・忠海勇 

●演目3  赤い蛇 
作・演出/伊藤樹
出演/梅津学・長谷川碧・三戸部大峰・
伊藤しょうこ・要害里奈・進藤智生・
稲田桂・長流3平。

上演されたのは以上の三作品であるが、その中では『赤い蛇』が、赤いストールを蛇のように看做して、芝居と現実とが交錯することで迷宮に踏み込むのが面白かった。






■9月の舞台 

今月は、観た舞台の数が少なかった所為もあるのかもしれないが、収穫も少なかった。その中でやはり光っていたのは『FICTION』である。

☆テインドンガー/FICTION
9月12日  ZOO
一つの魅力的な世界が存在する。