演 目 天国までの百マイル 観劇日時/09.9.8. 劇団名/劇団 文化座 公演形態/旭川市民劇場9月例会 原作/浅田次郎 脚本/八木柊一郎 演出/原田一樹 美術/松野潤 照明/森田三郎 音響/小山田昭 衣裳/伊藤早苗 舞台監督/中野耿一郎 制作/中山博実 劇場名/旭川公会堂 |
男に都合の良いラブロマンス バブルの影響で景気が良かった男・安男(=米山実)は破産して莫大な借金だけが残り家族に去られて、以前に金を注ぎ込んだ銀座のホステス・まりこ(=佐々木愛・急病のため高村尚枝が代演)のヒモになっている。 彼女は純粋で百千の男出入りがありながら、一途に安男を愛する。安男はそれに甘えて、月30万円の妻(=阿部敦子)への養育費もまりこに出させている。 そんな時、母のきぬ江の心臓病が悪化し、百マイル遠方の心臓手術のレベルの高い病院へ転送することになる。金のない安男は、ボロライトバンをレンタルして自分で運転して転院することにする。 その途中で、かつての様々なエピソードが語られる。特に三人の兄・姉たちの身勝手ぶりが極端に描かれる。余りにも典型的なのでリアィテイが感じられない。 その中でも、別れた妻の彼への感情と、今の女性の現実離れした彼への純情も逆に白ける。この関係は男の身勝手な都合の良さを肥大化させて見せただけのような気がする。 浅田次郎の舞台化作品は『ポッポ屋』『天切り松』と、この『天国までの百マイル』しか観ていないが、良く言えばハートウオーム、悪く言えばご都合主義で、僕にとっては魅力は薄い。 むかし台本印刷業に勤務していたときに、TVドラマの台本を作ったのを思い出して、手持ちがなかったか探してみたけど無かった。きっと魅力がないのでストックしていなかったのだろうと思われる。在職中に作った台本の中で好きだった本は一応、取り残してあるのだ。おそらく著作権法か商法に違反すると思われるのだが…… |