演 目
オセロになりたくて 改訂版
観劇日時/09.6.10.
劇団名/Theater・ラグ・203
公演回数/水曜劇 Vol.4
作・演出/村松幹男 音楽/今井大蛇丸
音響オペレーター/瀬戸睦代 照明オペレーター/柳川友希
宣伝美術/久保田さゆり  劇場名/ラグリグラ劇場

アナクロ的翻訳の力

 村松戯曲としては割りとストレートな物語だと思う。梗概は13ページを読んでいただきたいが、逆転に賭けて結局、逆転された中年男の悲劇は、ゲームの「オセロ」とシエクスピアの「オセロ」の悲劇に通じるわけだ。
ラスト・シーンで自棄酒を飲んだ前川が、酔いの中で絶叫するオセロの悲痛な絶望の叫びは、それまでの前川のオセロの台詞のアナクロ的な表現の違和感に対して、福田恆存・翻訳の古臭さが逆に強いリアリテイを感じさせた。