演 目
約三十の嘘
観劇日時/09.3.26.
劇団名/演劇集合体マキニュム
公演形態/てくてく公演vol.6
作/土田英生 演出/槙文彦  
音響効果/大津充敬 照明/氏原瑶子 
舞台/薄井寒太郎・金子綾香・井上幸子 
衣装・メイク/尾形聖恵 小道具/瀬川圭介・村瀬有香
制作/金子綾香
劇場名/レッドベリースタジオ

疑惑の迷路

 インチキ高額商品を催眠商法で売るために、田舎の小都市を巡回する6人の男女の集団の話。互いに信用しないまま、即席に集まった彼らは互いに疑心暗鬼の関係だ。
舞台はこれから現地へと向かう寝台車の中での攻防と、成果を挙げて各自の居住地へと向かう帰りの寝台車の中の二つのシーンで構成されている。
帰途の車中で売上金が紛失したことが露見するが、全員の誰もが疑わしい。だが、それにしては全員ガードが甘く無防備だ。
特に首謀者の甘さはアリティに欠け、それで詐欺師、それもリーダーがやれるのかと思われ、最後に犯人の片割れが相棒に騙されるのも甘い。総体に人間の甘さを認めているような作りだ。
最後に騙したつもりで騙された佐々木のみが最初はシビアな作りだったので、彼こそ本物の懐疑者だと思わせていたのに最後にやっぱり軟弱だった。
性善説に基づく小悪漢たちの物語かもしれないし、観方を変えた人間賛歌の物語かも知れないが、深みが薄く物足りない舞台であった。それは作品自体の持つ弱さのせいか、演出の創りのせいなのか?
出演者 槙文彦・瀬川圭介・薄井寒太朗
金子綾子・村瀬有香・尾方聖恵