演 目 おバカな高校演劇対決 観劇日時/09.2.8. 劇団名/亀吉社中(札幌西)・小樽桜陽・札幌北陵 公演回数/第2回 主催/おバカな高校演劇対決実行委員会 劇場名/札幌市教育文化会館小ホール |
意外と真面目なおバカ高校演劇 いわゆる高校演劇の「青春の悩み」とか「社会派正義」とかの定番を飛び出し「受け狙いの歌や踊り」「ゾンビや仮面ライダー」やらを演じたらどうなるか。という意図でこの高校演劇実力校三校が、去年第1回を行った。 その結果は僕の観たかぎり、物語自体は否定したはずの「高校生・若者たちの悩み」とか「社会正義」のストーリィのように見えて、おそらくそのこと自体を否定しているわけじゃないと思われた。要はその表現方法の意識の問題だと思う。と『観劇片々』の第20号に書いた。 今年の第2回のトップ出演は、札幌西高校が現役の在校生とOB・OGが協力して「劇団亀吉社中」を作り、今回はその第二回公演という名目である。 演目は『探偵の夜』脚本・演出/村上孝弘。 江戸川乱歩と横溝正史に強くインスパイアーされた、没落セレブを舞台にした殺人事件の解明話。ナンセンスだが、大上段に振りかぶって何か有り気な舞台を丁寧に創っている。 二番手は小樽桜陽の『クエスト』.作・演出/天野俊浩。 現実の高校の教室とゲームの中の世界をダブらせて結構社会正義派的な取り組みだが、ギャグも多く楽しませているようだ。というのも僕はゲームをまったく知らないので、キョトンとするばかりで意味不明だから、全体の理解も不十分だ。 最後が札幌北陵高校の『私を動物園につれてって』 作・演出/にへいこういち。 戦時中の動物の処理をプロローグとして戦後になっても寂れたままの動物園と市との経緯をマンガ風に描く。これはかなり社会正義派の話である。 いずれの高校も、作・演出は顧問の教員であるが、生徒で書いて見たい学生はいないのだろうか? 今年は去年に較べて表現力は大きく伸びたが、全体に本が低調の気がした。 |