編  集  後  記


 劇団 どくんご           09年2月9日
 鹿児島県の山奥に、劇団『 どくんご 』という演劇集団がある。冬の間は生活費を稼ぎながら演劇の準備をして、春になるとトラック2台にテントを積み込み、全国を廻って客席60人というテント劇場を建てて観客を集め、演劇一筋のストイックな人生を歩む7人の人たちである。
今から3年半前に、芝居に魅入られている僕たち中高年男3人(溝口信義・桜庭忠雄と僕)が、留萌市の神社境内でこの芝居を観て強烈なインパクトを受けた。小テントで自炊し宿泊し、大テントで芝居の公演をしては、次の土地へと移って行くのである。
このジプシーのような漂白の旅で、ボヘミアン的な演劇に懸ける心意気に深い興味と関心を抱いたのだ。
その演劇自体も不思議なものだった。様々なコンプレックスをもった人達が、それでも何とか自己主張をする切ない姿が独特の表現法をもって狭い舞台一杯に縦横無尽に展開する。それは今までのどんな演劇にもなかった、難解だけどフアナテックな異常世界で奇妙な魅力の芝居であったのだ。
その舞台の詳細については『続・観劇片々』第10号(07年8月の欄)をご覧ください。
それから4年目の今年7月、北海道を彼らが巡演すると聞いた僕たちは、矢も盾もたまらず、深川でもぜひ上演をしたいと思い立ったのだ。さて今度はどんな舞台が観られるのか……異次元空間との交流を期待したいのです。そして更にこの舞台を使って地元で何かができないかとも考えている。
上演予定は、7月23日(木)24日(金)の夜、二回の公演で、これから細部を詰めていくわけだが、今からワクワクしているのだ。どうぞご期待ください。

前号に続き二つ目の報告      09年3月1日
北翔大学の人間総合学科舞台芸術系が年刊で刊行している『PROBE』という、北海道の演劇状況を発信する研究雑誌があります。
今年度の『PROBE』第三号に、昨年に引き続き『続・観劇片々』08年度の19号〜22号から抜粋した記事が8ページに亙って掲載されました。
今年の僕が決めたテーマは、北海道で書かれた戯曲を北海道の劇団が上演したという舞台に限って紹介しました。
もちろん僕が道内すべての舞台を観ているわけではなく、ほんの一部だけの観劇ですが、ある程度の情報も含めても、この純道産の舞台というのは意外と少ないのが分りました。それにどういう意味があるのか簡単にはわかりませんが……




■本号に発表しなかった、この期に観た舞台

・演目  ソウ  観劇日時/09.1.11.  
劇団名/遊劇社 構成・演出/小林テルヲ  
劇場名/シアターZOO

・演目  アイドゥーアイドゥー  観劇日時/09.2.11.
劇団名/SKグループ 作・演出/すがの公
劇場名/シアターZOO

・演目  放出  観劇日時/09.2.20. 
劇団名/イナダ組 
作・演出/納谷真大・山田マサル・江田由紀浩・イナダ
劇場名/BLOCH

・演目  愛と青春の宝塚  観劇日時/09.3.4.
企画・制作/フジテレビジョン・コマスタジァム
脚本/大石静 演出/鈴木裕美 
劇場名/北海道厚生年金会館

・演目  しあわせな男  観劇日時/09.3.7. 
劇団名/森組(滝川市)
作/阿藤智恵 演出/森昌之ほか
劇場名/たきかわホール

・演目  探偵の夜明け   観劇日時/09.3.21.
劇団名/亀吉社中
作・演出/記載なし
劇場名/シアターZOO