2008年12月
演 目
ドロップ サムライ キャンデー
観劇日時/08.12.27.
劇団名/AND
公演回数/ビキニラインシリーズ 2008
脚本・演出/亀井健 照明/上村範康 
音響操作/chicchi 
劇場名/BLOCH


 ある中学校、生徒たちはまったく意欲を失い、教室には出て来ず、高村ちえ(=富樫真衣)はリストカットしても死に切れず呆然と一人教室に来る。
生徒たちは男も女も、下半身裸でパンツ一丁だ。勿論、舞台では黒タイツを履いているが……
そして坂東先生(=山田マサル)も牧先生(=小原綾)も、彼らのsex願望を、良くいえば、やる気の起爆剤に使おうとしたり、悪く言えば自分たちの欲望の対象にしているようにも見える。
呆然と一人現れた高村を励まそうとして覆いかぶさる坂東を拒絶する高村を見た坂東は、突然「スポーツそれもバレーボールをやろう」と言い出す。
体育館を占拠した坂東に共鳴する生徒たち、吉原(=八戸卓哉)、中川(=佐藤雄紀)、利恵(=矢野杏子)そして高村、後に道郎(=小林尚史)、やる気のない転校生・陽子(=高橋直子)も加わる。彼らは何で突然こんなに変ったのか?
体育館を占拠されて怒った体育教師・桂(=長流3平)は、銅像のように黒塗りして微動だにしない校長(=植松尚規)の指示により、強敵との試合を行わせて殲滅を企む。
ババアと称する東洋の魔女の成れの果て(=亀井健)の指導を受けようとするが、もう彼女は自分の思い通りには動けない。強敵に完膚なきまで打ち砕かれ、坂東は馘首され、生徒たちは元の木阿弥になる。
中川は、母親(=古崎瑛美)に強引に連れ戻され、強制的にガリ勉をさせられる。
牧先生は、地球儀に爆薬を仕込んだと称して、それをボールにして、もう一度またバレーボールをやろうと言い出す。
もう一度かつての元気が欲しいが、爆薬は危険だ。かつて東洋の魔女が会得していたのはドロップサムライキャンデーという魔球だったのだ。
牧先生は、その地球儀のボールには核が仕込まれていてそれを抱えていた中川は放射能障害を受けていると言う。そのボールを打つ牧先生。
飛び上がったボールからは、客席にキャンデーがばら撒かれる。全員が幕末に日本中を席巻した「ええじゃないか!」の変奏曲を歌い踊り狂って幕となる。
ドロップとキャンデーは甘いが、サムライは辛い。その微妙なバランスの妙なのか?

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  12月の舞台から 

  ☆ 冬のバイエル       劇団TPS
やっぱり、これは落とせない。

  ☆ メリーさんの羊       平和の鳩
小品ながら重量感のある芝居。