2008年11月
演 目
ジーザーズ・クライスト=スパースター
観劇日時/08.11.1.
劇団名/劇団 四季
演出/浅利慶太 作曲/アンドリュー・ロイド
作詞/ティム・ライス 訳詩/岩谷時子 
美術/金森馨 照明/沢田祐二 振付/山田卓
劇場名/滝川文化ホール

歌舞伎だと思えば良い

 歌唱は確かに上手いし迫力があるのだが、残念ながら歌詞が聞き取れないので、話がどう展開しているのかほとんど分らない。しかもそれを延々とやられるので、外国語の芝居を見ているような感じだ。
だからこれは、あらかじめストーリィと見所(みどころ)を予備知識として分っていて、現場ではどのように表現しているのかを鑑賞するということなのであろう。
そういう意味で言えば古典戯曲を上演する歌舞伎と同じだと思えば良いのかも知れない。新作や現代歌舞伎だと現在の日常の言葉に近い台詞だから、理解するのに問題は少ないけど、古典だと地方(じかた)のBGMの歌詞など現在の我々にとってほとんど理解を超える存在だ。
だがそこにも理解を超えた表現の魅力が厳としてあるわけだから、この『四季』の舞台もあらかじめ勉強しておかなかった自分の責任なのかもしれない。
しかし不思議なのは、高齢者の多い客席で居眠りしている人たちも結構目立つのだが、彼らは何を求めてこの客席に座っているのであろうか? 僕たちは耐えかねて途中で退場したというのに……
もう一つ不思議なのは、以前といっても30年ほど前、「エルサレム・バージョン」を観たときにはとても感銘して、だいたい『四季』はミユージカルといい、ストレートプレイといい、いつも裏切られるのにその時の「エルサレム・バージョン」だけは印象に残っていたので期待していたのだ。それが不思議である。
今回の舞台は「ジャポネスク・バージョン」というそうである。