2008年10月
演 目
白い木
観劇日時/08.10.15.
劇団名/Theater・ラグ・203
作・演出/村松幹男 音楽/今井大蛇丸
音響オペレーター/湯沢美寿々
照明オペレーター/平井伸之 宣伝美術/久保田さゆり
劇場名/ラグリグラ劇場

多重人格と妄想

 『白い木』『正多角形の作る正多面体』『過去を選択する』『人生は偶然の産物』『解離性人格障害=二重人格・多重人格』『統合失調症(分裂病)=妄想癖』などなど、ある男(=村松幹男)、あるいはその男に対応する女(=斉藤わこ)が、様々なキィワードをつぎつぎに羅列し、その具体的な症状としての二人の異常ともとれる行動で、観客を謎の迷宮に連れ込んで混乱させる。
つまり男が正常で女が異常かと思ったら、次には女が正常で男が異常に思えてくる。そしてお互いに自分が正常と思って居るのであろうか?
その関係は、夫婦であったり医者と精神を病む患者であったり、背任のサラリーマンと検察官であったりと、それらの関係が次々と変化し交替し目まぐるしく展開する。
ラストに至って、男の真実と女の真実のどちらが本当の真実なのか観客に疑問を投げ突けたままに幕……考えさせて突き放したままの幕であった。