演 目
白い木
観劇日時/08.9.24.
劇団名/Theater・ラグ・203
公演回数/水曜劇場第19回
作・演出/村松幹男 音楽/今井大蛇丸
音響オペレーター/湯沢美寿々 
照明オペレーター/平井伸之
宣伝美術/久保田さゆり
出演/男=村松幹男・女=斉藤わこ
劇場名/ラグリグラ劇場

男女二人の複雑な関係の真実性

 男の台詞に『仮面の告白』に触れる部分があった。過去の異常な記憶とは何であろうか? 自己保身か逃避のエクスキューズなのか? するとこの男も現実逃避か自己保身のための方法として無意識に異常な過去の記憶を開陳するのか?
背景に作られたこれも異常に巨大で醜悪な白い木の存在もこの自己保身と現実逃避の妄想でありメタファーなのであるのか?
男と女が、その関係を次々と入れ替えていくのだが、それが実際の関係なのか、相手を探ったり追い込むための方法なのか、分らないままどんどんと変化する。
そういうことをいろいろと推測する面白さは抜群であるが、頭脳的・観念的な主題なので演劇的な面白さは薄い。
斉藤わこの生の舞台は始めて観たのだが、初日にはあまり気にならなかったけれども、二回目に観る今日は何か硬い感じがした。一所懸命に演じているのが良く見えるのだが余裕がなく、無事に演じようとする姿勢が強く感じられる。20年近い空白があったのだから寛恕して、これからの向上を期待するとしようか。