演 目
5月1日/太宰と遊ぼう 遊戯祭
劇団名/intro
脚本・演出/イトウワカナ 照明/相馬寛之
音響/橋本一生 衣装/中原奈緒美 美術/川崎舞
かつら/大谷昌晶 女子マネージャー/富樫佐和子
制作/五十嵐宣勝
出演/田中佐保子・今井香織・のしろゆう子・大高一朗・
菜摘あかね・石田聡子・宮沢りえ蔵・新井田琴江・伊藤若菜
劇場名/コンカリーニョ

視覚的な舞台

 これも小説そのままだが、主人公の少女を7人の俳優が演じたことにより、自分自身の内部の葛藤として表現されたために、かなり演劇的な表現が感じられた。
若い女性らしい可愛らしい造りが、少女の内面を良く表現していると思われる。
だが、後半の今井田の家族との関わりがなかったのが疑問だ。この家族をプチ・ブルと切り捨てながら奉仕せざるを得ない心境が書き込まれていて演劇的で面白いシーンなのだが、かなり急いだせいか省略されていて、大事な場面だけにインパクトが弱ってしまったのが残念である。
場面場面の変わり目に、上から落ちてきた熟した果実のような、直径10センチほどの大きな塊はいったい何を表わしているのだろうか? オリジナルテキストにはなかったと思うシーンだが、彼女の不安と心中の葛藤だろうか? 暗示的だが説明的な方法であり必ずしも的確ではないような気がする。