演 目
太宰と遊ぼう 遊戯祭
観劇日時/08.9.23.
主催/遊戯祭実行委員会

 今年も札幌・琴似の「コンカリーニョ」と「パトス」の二つの小劇場を使って、太宰治の作品をモチーフとした演劇を創るという催しに4劇団が参加して行われた。
あの作品たちをどのように料理してくれるのか? という期待で早くから待ち望んでいたこの日であった。
だが現実は、朝の11時から夜の18時半まで30分のインターバルに、約1キロ離れた二つの劇場を行ったり来たりしなければならないから、途中で昼食を食べる暇もない。
地元の人は、2演目ずつを二回に分けて観れば良いわけだけども、我々地方の観客はそうはいかないから強行軍を承知の上で観にいくわけだ。
その結果、舞台で本当に食べるシーンがあったりすると、腹が鳴り唾を飲み込むことになってしまったりして……
さて、その4劇団が選んだのは、『パンドラの匣』という、「療養者が親友に当てた手紙」というスタイル、『女生徒』という「朝、目が覚めてから寝付くまでの日記」、というスタイル。『斜陽』という「ダメ人間が開き直って人生に向かう」という話と、『人間失格』という「最後までダメ人間だった男」の話というバランスの取れた選択になったのは面白い配合ではあった。