演 目
最終便
観劇日時/08.7.17.
劇団名/リアル・アイズ・プロダクション
公演回数/第6回
脚本/島崎友樹 演出/じゅうどうげんき
照明/相馬寛之・稲田桂 音響・映像/丹治誉喬 
衣装/木島里実・武田のぞみ 舞台監督/高村由紀子
舞台美術/福田舞台 演出助手/野村孝志
小道具制作/中川有子 フライヤー/若林瑞紗 
制作/原田充子・岩崎智子・桐生慧
プロデユーサー/ヨコヤマカツトシ
協力/演劇公社ライトマン
劇場名/シアターZOO

死に切れない思い

 ある惑星の寿命が尽きて、人間たちは全員、他の惑星に移住しなければならなくなった3038年、つまり1030年後の地球の物語。
ある三人が当局の指示に逆らって、この惑星に残ると主張し移民局の担当官を困らせている。その人たちの残る理由とは、死んだ女優とその娘。女優はすでに死んでいるのでおそらくこの地に極度の愛着を持つ怨念であろうか? 肌身離さず抱いている人形は、幼くして亡くした娘の身代わりで、付き人は自称・娘であるが精巧なロボットである。
二人目は、死んだ恋人のロボットを作った結果、その奇妙な三角関係に悩み、この地に残って解決しようとする身勝手な男。
三人目は、自殺した息子が殺されたと思い込み、潜伏した犯人に復讐をするために残ることを決意した年配の男。
これらはすべて死に絡んでいる。だが悩みの必然性が薄くしたがって感動も弱い。
さらに1030年後の世界に対する想像力が弱く、ロボットの完成度が高いくらいで、なぜ千年以上もの未来を設定したのか理解に苦しむ。
そのころには人間の心がどう変わっているのか、どういう精神構造になっているのか? とかいう予測を主題に強調していれば面白い展開が望めたのかも知れない。
千年以上も以前の人たちの心と、現代の人たちの心とがどう違っているのかを考えると別な興味が強くなる。心情は変らないとしても、おそらく千年以上も前には地域性が強く働いていたであろうことは容易に想像できるのだが……
出演者。齋藤由衣・井口浩幸・かとうしゅうや・白川孝子・細木美穂・三原あゆみ・齋藤雅彰・重堂元樹・フレンチ。