演 目 檻 観劇日時/08.7.13. 劇団名/箱φ(BOX-zero) 公演回数/第3回 作・演出/蠣崎こず恵 劇場名/マルチスペースF |
青春の閉塞感 何もない廃墟のような空間、古新聞が床一杯に乱雑に散らばったり積み上げられたりしている。濃い灰色のジャージを着た若い女の子(=セーラー)が一人、自分の過去や現在の境遇を振り返り、嘆いたり考えたりしている。 突然、全身白いジャージのもう一人の女の子(=ニビ)が、投げ出されるように飛び込んでくる。彼女はここが何処なのか、自分が何故ここに居るのかが分らない。 怯えながらも二人は、それぞれの立場や境遇を話し合うけれども、どうにも理解の外にあるらしい。この延々と続く哲学的な会話のやり取りは、かなりかったるい。 やがて来た時と同様に、後から来た白い女の子が突然居なくなる。号泣する灰色。 すると普通の母親(=ジェフ)が出て洗濯物を干しはじめる。袖から陰の声で、「一匹(羽)、居なくなった」と訴える声が聞こえる。母は、「また買えば(飼えば)いいでしょ」と答える。カッコ内が正等なのだろうが僕には記憶がない。 カーテンコールで一人の役者が鳥篭を持って現れた。そうか彼女たちは小鳥だったのだ。でもあの衣装はどうみても猫だろうが、僕は猫だと思ってみていたのだ。 囚われの身を青春の閉塞感に変換し、真面目に力いっぱいにやったのには好感が持てたが、演劇としては堅苦しくて少し居眠りが出て、何気なく隣を見るとやはり俯いた首が揺れていた。 |