演 目
ジョウジマイケル物語

観劇日時/08.6.28.
劇団名/yhs公演
公演回数/城島イケル還暦記念 yhs10周年公演FINAL シアターZOO提携公演
作・演出/南参 舞台監督・音響/橋本一生 
舞台美術/上田知 照明/大橋榛名 衣装/水上佳奈
小道具/青木玖璃子・井上亮介・藤野羽衣子
制作/大塚黒・水戸もえみ・十日市恵子・吉竹歩
プロデューサー/亀山統
劇場名/シアターZOO

一人の男の永遠の青春

 現役の役者・城島イケルの半生記。といってもおそらく彼自身のクロニクルというよりは、一人の男の永遠の青春記だ。
子どものころから高校、そして学生時代の恋と熱狂それに反比例する怠惰と冷静な批判、さらにサラリーマン時代から札幌転勤、51歳で突然退職して演劇の世界に飛び込んだ異色の、まさに永遠の青春物語だ。だから城島イケル個人の年代記というよりは、ある男の青春記であるという印象が強い。
主人公が役者であるということを利用して、芝居の稽古の場面が彼の過去の状況にずれ込むという巧妙な手を使って、面白く見せる。
進展の半ば過ぎまでは、他人の人生記などと思ってちょっと退屈して観ていたが、51歳で全てを捨てて演劇の世界へ飛び込むというエピソードは、いかにも演劇的で衝撃的だ。
ただ一般人からみると、経済の問題は避けて通れない。51歳というピークの時点で収入が途絶えるということは普通考えられない。そしてその問題を追及した方が深くなるだろうけど、問題が通俗化する恐れもある。
そのことをアフタートークで聞いたら、最初は無我夢中で飛び込んだが、今は収入も夫婦二人で何とかやれるようになった。それよりも夜もグッスリと眠れて健康的な人生を送れるという意外な効果に喜んでいる、と話してくれた。
この51歳で無我夢中で飛び込むという決断が青春の所以であり、劇的展開の面白さであろう。
出演者は、城島イケル・小林エレキ・能登英輔・南参・青木玖璃子・十日市恵子・小林由香・
イシハラノリアキ・福地美乃・井上亮介・今井香織・山下カーリー・吉竹歩・松本直人、
以上の14人が様々な人たちを交代で演じる。