演 目
妖火  龍馬は死なず

観劇日時/08.6.1
劇団名/風蝕異人街
公演回数/坂本龍馬没後140年記念公演
主催/詩劇 『妖火』をつくる会 共催/北海道龍馬会
作/原子修 構成・演出・照明プラン/こしばきこう
照明オペレーター/前田ゆりか 音響/瀬戸睦代
制作/宇野早織
出演/宇野早織・片山幸子・李裕華・俄のぞみ・佃尚美・松田仁美・三上さおり・對馬考哉・黒柳朋哉
斉藤秀規・芳賀慎之介・青木柚子・村上ユキ・笹原実穂子。
劇場名/BLOCH

龍馬を中心にした幕末史

 百五十年早かった坂本龍馬の心情を、妖しい火の燃えた稀有な精神としてオマージュした詩劇。念のために辞書を見ると『妖』とは人智を超えた神秘的な力を持った存在であると出ている。つまり龍馬をそのような存在として捉えざるを得なかったわけだ。
しかし実際の舞台は、劇というよりも幕末史の絵解きのような感じである。龍馬を女優で演じ、影の龍馬を登場させた意図は面白いが、これも女優であり、その位置がはっきりとしない。
二人とも女優が演じることに問題はないが、この役を演じられる役者が居ないためではないかと思われるところがあるほど、他の出演者たちの鍛え方が弱く、表現手法の特異性にもたれかかっているような気がする。
龍馬役の宇野早織以外の役者たちの表現力が弱くて、訴求力がなさ過ぎるのだ。それにしてもこういう特異な表現方法に14人の若者たちが集まって、しかも新顔が多く見られるというのも不思議だが頼もしい力だともいえるのだ。精進して成果を挙げることを期待しよう。