演 目
49日後……
観劇日時/08.5.14.
劇団名/PARCOプレゼント
原案/古田新太&池田成志 作/竹内佑 演出/池田成志 美術/小松信雄 照明/佐藤啓
音楽/和田俊輔 
音響/大木裕介 衣装/伊藤早苗 ヘアメイク/西川直子 映像/ムーチョ村松 演出助手/大堀光威
舞台監督/加藤高 宣伝美術/河野真一
宣伝写真/岡田貴之 宣伝/る・ひまわり
プロデュサー/佐藤玄 制作/高石由紀子 製作/山崎浩一
劇場名/道新ホール

旧家の悲劇か、財宝を巡る駆け引きか

 田舎の古い和風の豪邸が舞台いっぱいに作られている。前面は錆色の重たい雨戸ですっかり覆われて中は見えない。幕が開くと、その雨戸の1枚が開いて女(=小田茜)が出る。
彼女はこの家の老女主人の没後を託された葬儀社の社員らしい。
舞台が賑やかになると4人の遺品整理業の男たち(=古田新太・八嶋智人・池田成志・松重豊)が現れ、雨戸を取り外して遺品の整理を始める。古い雨戸で閉じ込められている旧家には、何かの秘密がありそうだ……
白日に露にされた豪邸の座敷は、ごみでうずめ尽され壁は血塗られた悲惨な状況だ。老女主人は自殺をしたらしい。残された権利書と実印の所在を巡って整理業の男たちと葬儀社の女との遣り取りが駆け引きとして展開する。
やがて、この葬儀社の女はこの家の娘であるらしいことが判る。この家の家庭内の紛糾によって、彼女は壮絶に自死した母親との愛憎に巻き込まれていたらしい。
邸宅の庭に埋められた権利書と実印を捜し出した女によって、一場の騒動は終わりを告げる。
遺品整理業の男たちと葬儀社の女との壮絶な駆け引きのバトルを予感させながら、最後は家族のドロドロした怨念の物語になったのは、ちょっと外された感じだ。この家族のストーリィはあまり語られないし、自分には関心はない。残された娘と遺品整理業の男たちとの駆け引きの面白さが観たかったのだったが……