演 目
春の夜想曲―菖蒲池の団欒
観劇日時/08.5.9.〜10.
劇団名/TPS
公演回数/ソウル演劇祭 招待公演
主催者/韓国演劇協会
劇場名/韓国文化芸術委員会アルコ芸術劇場 小劇場
(ソウル市大学路にある官立民営の立派な劇場。パンフレットやチラシなど、全ては韓国語で書かれているので
良く分りませんが、そこには中と小の二つの劇場があって、TPSが上演したのは、キャパシテーは200くらいの小劇場でした。)

小津安二郎オマージュ

 ゲネプロと本番の二回を観た。今回の上演中、支配人役を永利靖が前半2ステージ、後半の2ステージを斎藤歩が演じた。その各1回ずつを観たわけだ。
老い・死・家族の話は初演を観たときと変らないが、今回それが小津安二郎を彷彿とさせることに気付いた。特にラストシーン、叔母と姪が並んで正面を向いてじっと座っている場面はすっかり小津安二郎だった。
二回目、斎藤歩に変わってから、そのまたラストシーンの一歩前で支配人・斎藤の、「私たちは、池の亀にずっと見られている」という台詞は、観客を意識しているというのがよく判って、面白い発想だった。
その亀は、同じ斉藤歩の『亀、もしくは……。』の亀と、どう繋がるのか? と変な想像まで起こさせて、少し考え込んでしまった。永利靖の支配人のときには、そんなことを感じたことは一度もなかったのに……