演 目
こいの湯
観劇日時/08.4.27.
劇団名/劇乃素 艶屋
公演回数/第4回公演
作・演出/松浦みゆき 演出助手/矢野つかさ
舞台美術/佐藤鍵 
照明プラン/豊島勉 照明操作/石田千景
音響/大友理香子
制作/MARU
劇場名/アトリエ練庵

ゴドーを待ちながら・変奏曲

 松浦みゆきがこのモチーフで書いた戯曲は、僕の知る限り二作目である。最初に観た『OH! MY!! GOD!!!』を今調べると、02年の9月で実に5年半も前のことで、あれからそんなに月日が過ぎたのか? と本心からびっくりしているのだ。
当時の記録をみると、何かを待っている二人の女という話で、今日の舞台もそうだった。あの時共演した小川恵理と松浦みゆきのコンビは今回も健在で、今度は路地をちょっと曲がって入り込んだところにある「こいの湯」という銭湯のちょっと手前のベンチを中心に演じられる。
練庵というアトリエは、雑居ビルの一室という小さな空間で、そこを黒幕で包み込み、周りを板塀で囲み、中央に草臥れた太い柱を二本立てて、いかにも場末の銭湯の入り口という雰囲気がとてもよく感じられる舞台装置。
多分近所付き合いの二人の女が、偶然落ち合う。一人(=松浦みゆき)は何かを待っている。17年前に居なくなった夫が今日帰ってくる。しかも一緒に銭湯へ行くことになっている。しかし彼は来ない、というか彼女の一人よがりの妄想かもしれない。
もう一人の女(=小川恵理)は、近所の理髪店の若主人がとどこかへ行くのを夢見ている。しかしこれも単なる妄想の対象でしかないのか?
誰かを待ち続ける二人の漫才が続けられるけれども、今回は前回よりも笑いの衝撃が少なく叙情的な面が強く、少々物足りなさが残ったのであった。


■■4月の推薦舞台■■

今月は三作品に絞り切れなかった。

☆ 歌わせたい男たち        二兎社
☆ 腐食                Theater・ラグ・203
☆ 棲家                劇団 北芸
☆ 流星に捧げる          演劇制作体 鈴木喜三夫+芝居の仲間