演 目
ALTAIR
観劇日時/08.4.26.
劇団名/北海学園大学演劇研究会
公演回数/春の特別公演
制作/村上義典
作・演出/小林弘輝 音響/板谷麻美 照明/諸中愛奈
スタッフ/東和博・池田舞・大原慧・清水翔太・竹内梨絵
中村聡・鉢呂良介・松下綾華・阿部卓也・斎藤佑介・相馬かおり・千葉一翔・若林宗由
劇場名/BLOCH

この差は何だろう?

 この演研は会員数が圧倒的に多いので、少なくても二班編成になるらしい。今回も二つのチームで競演するという仕掛けである。ちょうど時間のタイミング良かったので両方を観ることにした。まずは、デネブ・チームである。
出演は小林弘輝・石沢治郎・平田渓一・星宏美・島田章広・松江里奈・渡部真史・野原淳・井上奈美・前田枝里子。
勇気がないために恋人に振られた男が、強くなるためにある組織に入って鍛えるが、逆に涙を捨てた挙句にもう一度、振られるという話らしい。
だが舞台はまったく弾ます、話も分り難い。単調な台詞と安定しない嘘の演技が続き、退屈した。だから次のチームを観る気持ちが失せていくのが強烈に感じられる。

だが、勇気を振り絞って予定通り次のベガ・チームの客席に座る。
出演は上田竜平・村上義典・伊勢田圭佑・山崎亜莉紗・
田村大地・松江里奈・新井康平・菅原啓太・鎌田彩実・
波田野美紀。
さて第一声から台詞はリズム・テンポがよく、しかも良く通る発声はいきなりグイと観客を舞台に引き込む。
話自体は、流星に思いを託す人たちのその思いを叶える組織というのが背景だから、これが何をメタファーするのかというリアリティがなければ成り立たない。
その辺でかなり無理があったようだが、このチームはそれを感じさせる間もなく、多少強引とも思える力技で引っ張ったようだ。そしてラストは思惑通りわりと爽やかなエンドを見せた。
さて、この差はいったい何だろう? と思う。単に演技力の違いなのだろうか? アンサンブルが巧く噛み合わなかったのだろうか?
一方は眠くなるような舞台で、実際に何度か眠ったが、一方は全く魅せたという不思議。今までにもダブルキャストは何度も観て、その差異はそれ相応に知っているつもりだが、今回のように全く正反対の結果を見たのはおそらく初めてではないであろうか?
演劇の意外な不思議を体験して、目的以外の変な収穫に驚いているのだ。