演 目
正しい餃子の作り方
観劇日時/08.3.22.
劇団名/北海道舞台塾演劇公演
その他のスタッフ・キャストは前回に全く同じ。
劇場名/砂川市 地域交流センター「ゆう」 (JR砂川駅に直結する複合施設の中の客席変動型ホール)

「餃子」の言葉・台詞を全部「演劇」に読み替える

 先日札幌「か・でるホール」で観た全く同じものをもう一度今度は砂川で観る。気になっていたのだ。
それは芝居の中では「餃子の作り方」になっているが、僕のイメージとしては彼らの「演劇」に対する祈りであり向かい方なのではないか? という想いがさらに大きくなっていったからだ。
だから今度は、芝居の中に出てくる「餃子」をすべて「演劇」に読み替えて観ていた。すると何の抵抗もなく全部平仄が合うのである。
そうなのだ! この芝居は演劇に対する宣言であり覚悟であるのだ。ラストの自転車で発電して餃子を焼くホットプレートを作動させるというあり得ない努力をしてまでの必死さには、同情を超えて熱いものが込み上げるのだ。
この幼稚ともみえる熱情は良しとして、実際に創られたこの舞台は演劇としては中途半端な出来でしかない。客席の低いレベルに迎合して深みが足りないようなのである。
エンターテインメントとしてもギャグが表面的な言葉遊びでしかなく、レポーターの描き方も掘り下げが浅く意味不明な点が多い。
やっぱり文化財団の企画といえども、あまり右顧左眄することなく、どうしても右顧左眄を感じるのだが、良い演劇、面白い芝居を創るしかないのだ。