演 目
カノン
観劇日時/08.3.9.
劇団名/札幌大学演劇研究会 劇団ダイナマイト
公演回数/第57回
脚本・演出/藤原博之 助演出/明石啓嗣 照明/小杉祐規
音響・情宣/福田沙世子 情宣チーフ/永田有希子
劇場名/ラグリグラ劇場

未来に託す青春群像

 開幕冒頭、意味がよく分らないが、激しい群舞はかなり迫力がある。狭い舞台だから若いエネルギー溢れる7・8人の統率されたモダンダンス風の踊りはダイナミックだ。
そして場面は100年続く冬の街、世界最終戦争の終わった荒れ果てた跡の街らしい。
鈴木一朗(=高山龍)、テルキ(=立田篤志)そしてつばさ(=高谷友美)の孤児三人が共同生活をしている。一朗はクラシック音楽が春を呼ぶと信じ、テルキは汗臭い怠け者。つばさは春が来ると蛙が活躍することを知り、蛙を探すことに夢中である。三人それぞれの極限状況下の青春だ。
一朗は少女カノン(=一戸美咲)の家庭教師になるがカノンは死ぬ。テルキはボクサーになる。三人の春は来るのか?
力強い演技は清々しいが、若さに任せた説明過剰なオーバーアクションが邪魔になるのと、後半は両親(=高瀬翔太・越智由貴)とカノンとの確執になって話が矮小化されるのと狂言回しが何度も同じことをやるのが間延びする。
三人の青春に絞って緊張感を高める演出にすると、面白い舞台が出来たかも知れない。