演 目
男子は山へ、女子は川へ
観劇日時/08.2.17.
劇団名/3ペェ団札幌
公演回数/満3周年
作・演出/長流3平 照明/大橋はるな 音響/橋本一生 音楽/三島祐樹 舞台/忠海勇 小道具/segyar
衣装/新井田琴江 衣装協力/藤野羽衣子 写真/小林沙亨 イラスト/チュウゲン 映像/くつした企画 
制作/3ペェ団札幌 スパーバイザー/石川亨信 スペシャルサンクス/上田知 他多数
劇場/演劇専用小劇場 BLOCH

少女たちの想い

 過疎地の小さな小学校。あるクラスは男子が5人に対して女子が6人で、いつも多数決で女子の言いなりになっていて反発する男子には女子は暴力で解決する。
ある日担任の先生の突然の退任で、新任の女先生が着任して、この先生も女子べったりで、先生と生徒の友好のためと称してそれぞれの夢を語らせる。
だがそれも女子だけで、彼女らは宇宙飛行士になりたい人と母親の飲み屋をやりたい人と、亡くなった母親に会いたいという素朴な願い以外は答えられない。
新任先生は勢いにのって、翌日郊外の公園へ遠足をすることになる。そこには川があって水遊びが出来るのだ。男子は男なんだからという理由で有無を言わせず、勝手に山へ行けとなる。不満たらたらの男子は無視される。この辺は痛快だ。
以後、話はこの川のある公園への女子たちの物語になる。先生は6キロもある公園へ一番先に着いた者に賞品を出して競走させる。
ビリになった女子には、母親が出て、その意思があるなら早速に特訓だといって彼女を連れて行く。
残ったビリの女子は、何者か達に、宇宙体験だと言って空中に抱え上げられて連れ去られる。
後に残った最終走者は、死んだ母には逢える訳がないと、非情だが、しかし本質的には励まされるわけだ。
後の女子達は、転校生も入れて4人、ここで新任先生が不登校の同級生であり、転校生は実は退任したはずの担任の先生だったという無理やりなこじつけ。
10年後、成功した者や発展途上の人や、相変わらず、悶々としている人たち……
遠足以降は男子は全員黒子となって、女子達の補佐をする。だからこの話は、川へ行った女達の人生の始まりとその10年後の話である。
作者の長流3平も言っている通り、「最近札幌でよく見る小学校もの」である。昔は大人の俳優が子供を演じると奇怪なものが出来上がったものだが、最近は全く不自然な感じがしないのが面白い。
特に今日の舞台では、10年後に大人になり衣装を換えて出てきたとき、ああこの人たちがやっていたんだと改めて思わされたほど子供達の造形が見事だった。
出演は女子/新井田琴江・長谷川碧・小林花絵・吉江和子・しちゅうやまもと・進藤智生 
男子/泉清高・長流3平・和田憲幸・忠海勇・柳瀬泰二
新任の先生/山村有樹子  転校生/荻田美春 母親/伊藤しょうこ バウンドガール/長谷川亜美
校長/大谷啓介 用務員/濱道俊介