演 目
NOONLIGHT SHADOW (ムーンライト・シャドウ)
観劇日時/08.2.16.
劇団名/劇団「BREATH」
公演回数/STEP公演Vol 2
原作/岩本憲嗣 脚色・演出/川野彰一 舞台監督/川谷孝司 照明/武野郁也 音響オペ/仁木麻子
音響・効果音/安田智 衣装/井盛孝幸 小道具/田代麻美子 大道具/巻島裕二郎 特殊効果/池田憲昭 
映像/加藤亮 会計/工藤夏美 その他スタッフ24名
劇場名/旭川公会堂
出演/寺山修・加藤敦子・高井尚樹・山田大海・立崎美由紀・
仁木景子・島野浩一・塩野谷ひとみ・新保美幸・
梅津愛・安藤真由・木村靖予・田代麻美子・
按田めぐみ・中島陽子・杉原ナヲキ・川島玄起

演劇のリアリティ

 まず驚かされるのは、この膨大なスタッフ・キャストの人数である。どこのアマチュア劇団も参加者の減少に悩んでいて、札幌の劇団などそれだけが原因ではないとは思うが、客演者の人数が増えているようだ。
さて物語りは、タイムトラベルとアンドロイドを組み合わせた一種のSFであるが、題材からいってとてもリアリティのある話であるとは思えない。リアリテイって何だろう?
話をかいつまんで紹介したい。簡単だ。若い企業家が三人、企画営業の先輩男性、経理担当の同級生の女性、そして天才的発明家の後輩の男性。この三人の三角関係を巡る善意の三者による鞘当の結果、発明家は自分の開発したマシンによって未来に緊急避難する。
その経過の中に、発明家の失踪の謎を追うジャーナリスト、協力する看護師、心を持ったアンドロイド、彼を慕う友人の少女、なぜか出現する忍者、発明家のよき従者の猫、看護師の従順な犬、などなど入り乱れての時間・空間を超越した大混乱の二時間である。
結局は、過去の事実を書き換えるという禁断の手を使ってハッピーエンドである。だから物語は単純でありここから何のメタフアーをイメージするかは困難だ。
このSFフアンタジーがどれだけリアリティを持って観る者に訴えかけるのか? 演劇とはそのリアリティが感じられるか感じられないかが別れ道だからだ。
するとこの話がなぜSF仕立てになっているのかという問題になる。おそらくそれは現実にリアレティを感じられなくなった若者たちの要求であろうか? そうだとするとロマンであると同時に逃避という面も見えてくる。
単なる三角関係の善意による回避の結果のハッピィエンドという話であれば、それだけのものでありこれだけの大仕掛けに創ったエネルギーの無駄遣いとも思われてしまう。
この集団は、技術的には素晴らしいものを持っていて、よく鍛えられた身体は切れ味もよく良く動き、耐久力のある肉体を持っている。それだけに惜しい気がする。