演 目
ミスキャスト
観劇日時/07.11.22
劇団名/劇団SKG
公演回数/25th
脚本・演出/すがの公 
照明/清水洋和 音響/糸川亜貴 舞台美術/妹尾知美
衣装/小山めぐみ・佐々木あゆみ・井嶋マキ子 小道具/小玉乃理恵
制作/有田由布子・金丸菜穂子・佐々木陽子・佐藤愛実・平森楓佳子・山本友佳
協力/ハムプロジェクト・SKダッシュ・RUSH!!・ラビカ・yhs
主催/ハムノイズ・北海道演劇財団・NPO法人TPSくらぶ
劇場/シアターZOO

元気が出る芝居

 ある田舎の寂れた温泉宿、その地下のクラブで明後日に控えたドサ周り劇団の公演の準備で従業員たちが集まっているところへ、劇団のバスが事故を起こして血塗れになった一人の劇団員(=高橋隆太)が辿り着き大騒ぎになっていた。
宿の支配人(=能登英輔)と女将(=小山めぐみ)は仮面夫婦、板前(=立川佳吾)は女将に横恋慕、ベテランの仲居(=古崎瑛美)と新米の仲居(=天野さおり)、そしておかまのマッサージ師(=高橋逸人)、酔っ払いの客(=すがの公)たち……これらの人物たちが巻き起こすドタバタ騒動。
劇団は『お夏清十郎』を用意していたが、辿り着いた劇団員の発案により『ロミオとジュリエット』と混淆させて受け狙いの台本をでっちあげ、従業員一同で稽古を始めるが、それぞれの人間関係の思惑があって上手くいかない。
酔っ払いの客は、実は不動産業者で落ち目のこの宿を狙っていたのだった。だがすでに宿は破産していた。一年後、女将さんは板前と一緒になり、支配人はベテラン仲居と新しい人生を歩んでいた。
娯楽劇としては上手く創られて、ちょっとテンションの異常な高さに引くが、それも含めて結構受けていたようだ。満員の客席をみても客の期待度はわかるようだ。主宰のすがの公も芝居は楽しいものだと言っている。その面では正解であろう。
だが僕は演劇のメッセージやメタファーを重視する。これは何だろうか? 人間関係の再構築に希望を持とうということか? すがの公は「来年の元気」が出る芝居と言っている。
『ロミオとジュリエット』と『お夏清十郎』をドッキングしたアイデァは良かったのだけれども、実際のメインストーリィとは上手く噛み合っていないような気がするのが少々心残りだ。