演 目
世界果てに捨てたいもの
観劇日時/07.10.27
劇団名/ユニット電気ウサギ
公演回数/# 3.5
作・照明/大橋榛名 演出/手代木啓史 音響/橋本一生
舞台美術/高村由紀子 衣装/アキヨ イラスト/くら
音楽/榮田佳子 制作/電気ウサギ
劇場/ことにパトス

装飾過剰の物語と表現

 二人の女がそれぞれの事情によって、世界の果てに捨てたいものがあり、野次喜多道中でその果てと思しき海岸へと到着するのだが、結局捨てるものとは、弱い意志であったという話であろうか?
黒子が八人も登場して様々な仕掛けを施し目まぐるしく、過剰表現が却って邪魔をし、本質が見えにくくなっている。退屈な道中記が延々と続いているのだ。
客席を横長にとって広く使い、客席との親近感を強めたのはいいのだが、そして上手奥に高い台を置いたのもいいのだが、その台の中に音響・照明の操作空間を置いたのは奇を衒いすぎて意味が分らない。
そういう過剰表現は、物語そのものがそうなのだが演出にもみられ、たとえば演技者たちは客席の後ろをドタドタと走り回ったりして、洒落てはいるし演技者たちは中々達者なのだが、二人の女の目的がはっきりとしないので、すっと物語に入って行けない。何がポイントなのかを中々掴めずに焦慮感だけが増幅する。やっとラストでそういうことだったのかと思われるのだ。御苦労さんという1時間半であった。
出演/山下カーリー・寺元彩乃・加藤健・畠中朝香・岡崎円