演 目
マッスルミュージカル
観劇日時/07.9.16
劇場/札幌厚生年金会館

単純な魅力

 今年になって1月にベルギーのヌーヴォー・シルク『蝶のめまい』そして、つい最近8月に中国の『カンフー ミュージカル』と同じ感覚のものを三つ観た。
『蝶のめまい』は上品で洒落てはいたけれども、狭い屋内の空間では、サーカスの泥臭さとダイナミックなインパクトが薄いなと思った。
『カンフー ミュージカル』は物語が面白くないのと、やっぱり小手先の技術が、せこいという感じであった。
さて今度は日本初の体操ミュージカルである。これは変に小細工を弄せず、マッスルに絞った単純な技術が逆にインパクトの強い魅力的なエンターテインメントとなった。
たとえばオリンピックの体操競技やフイギュアスケートの試合を見るような人間技を超えた一種の美を観るような感動を与えている。人間の極限の超え方ってすごいなあと単純に感動するのだ。
カーテンコールが全員逆立ちで30人の出演者が逆立ちで並び、一斉に両足を左右に開いて挨拶するのは、笑ってしまうと同時に、この極限超えの感動であった。