演 目
映画/壁男
観劇日時/07.9.8
『壁男』制作委員会(ポニーキャニオン・共同テレビジョン・トルネードフイルム)
原作/諸星大二郎 監督・脚本/早川渉 プロデユーサー/早川渉・波多野ゆかり・稲田秀樹
撮影/國松正義 照明/小園善夫 録音/秋元大輔 美術/高田久男 音楽/阿部一貴 
TD・編集/笹崎寛幸 効果整音/横山達夫
劇場/シアターキノ

恐怖と好奇心、他人の視線

 壁の中に潜んでいると噂の壁男、その噂を取材するのがTVの女性レポーター・響子(=小野真弓)と、その噂に興味をもった彼女の恋人である写真家・仁科(=堺雅人)という役割が意図的だ。
つまりTVのレポーターとは、好奇心の製造元であるし、写真家とは幻影を具体化する存在とも言えるからだ。というか、意図的にそういう役割を与えているのだ。
人は他人の視線が気になる。あるいは他人のプライバシーに好奇心を持つ。壁男の視線はTVの視線であり、あるいは監視カメラの恐怖の視線でもある。そして壁男を見ようとする視線は写真家の視線でもある。
都市伝説としての壁男とは、結局TVのことであるのかもしれないとも思われた。得体のしれない怖さと、もっと見たいという好奇心との存在として……
オール札幌ロケで、在札の俳優、永利靖や渡辺香奈子・斎藤誠治など、舞台でお馴染みの顔が出演しているのも楽しいかな?