演 目
ユー・キャント・ハリー・ラブ
観劇日時/07.8.16
劇団名/Real Is Production
公演回数/教文演フエス
脚本・演出/弦巻啓太 照明/相馬寛之 音響/橋本一生 衣装/谷藤夏紀・小野寺ゆい 
舞台美術/藤田ナツコ 舞台製作/濱道俊介 舞台監督/上田知 
演出助手/野村孝志 演出助手/高崎愛知 フライヤー/間部加桐子 制作/漆原佳奈・岩崎智子 
特命宣伝部長/長流3平 プロデューサー/ヨコヤマカツトシ
劇場/札幌教育文化会館小ホール

頑固な中年男のラブコメディ

  英文学の教授(=松本直人)は中年の独身男。専門のシェイクスピアの解釈は、恋愛を全否定する独特の評価で一家をなしている。この論拠はいささか荒唐無稽だが、この話はそこに眼目がある訳じゃないから無視しよう。
 突然、FMラジオのDJ(=安福展子)の声に一目惚れというか一声惚れをする。
 秘書で姪(=原田充子)、研究室の学生(=菊地英登)、取材の編集者(=伊東真澄)を巻き込んで、誤解と早とちりのてんやわんやの大騒動が、スピーディに展開する。
 恋愛を全否定する教授が、突然の中年初恋に陥ったらどうなるか? といういわば一種のラブコメディだが、面白いがそれがどうした? という感じがしないでもない。
 あんまり意地張るなよ、という温かいメッセージか? その意味なら今、日本で一番偉い人にも見せてやりたい話でもある。
ちなみにラストではハッピィを暗示する。僕としては彼女が去ったあと、窓から外を眺める男の後ろ姿で終わった方が、中年男の哀愁の濃い余韻が、印象的に残って良かったと思うのだが……