演 目
ドライブイン・やまや
観劇日時/07.8.4
劇団/アタシト、
脚本/川本昭彦 演出/長尾純子 美術/伊藤雅子 音響/K.K.Canbit・松田朋子 照明/小粥之央
宣伝美術/渡子 制作/アタシト、・菊地美保
スペシャルサンクス/入倉津・田丸裕一朗・伊藤美紀子・法月志都子・本坊綾子・見上げたボーイズ
劇場/下北沢・小劇場 楽園

不出来な3姉妹の家族愛

 下北沢にまた新しいミニ劇場ができた。雑居ビルの地下室の小空間。部屋のド真ん中に大きな太い角形の柱が立っていて、田の字に区切られたその一角がロビー、その対角線上の一角が舞台空間、そしてロビーの左右の空間がそれぞれ30席の計60キャパの、その昔の渋谷ジャンジャンの小型版である。洒落て上品ですっきりとした社交的な劇場だ。
舞台はとあるドライブインのカウンター。のんびりとした長女(=福留麻里)と活発な三女(=長尾純子)の二人が切り盛りしている。父は早くに他界し、母は10年前に、「ちょっと行って来ます」とメモを残したままいまだに帰ってこない。次女も風来坊で多分、男と金で苦労しているらしく音沙汰がない。
ある日その次女(=久積絵夢)が突然帰って来た。お定まりのサラキンの取り立てに怯えたり、三女の失恋話がからんだり、姉妹愛が確認されてゆく。
さいきん流行のハートウオームな小喜劇がすこし哀切なハッピイエンドになるという、毒にも薬にもならない一時の娯楽劇。これも昔のいわゆる中間小説といった、ほのぼの路線か……
福留麻里は当日パンフによると、コンテンポラリイ・ダンサーで台詞劇はこれが初めてだとか、地でいったのか面白い感じが良く、久積絵夢はミュージカル女優でこれも台詞劇は初めてだが、堂々たる演技、一人劇団の長尾純子は普通の演技派で、このトリオは興味深かった。