演 目
ライオンキング
観劇日時/07.8.1
劇団/劇団四季
劇場/四季劇場 春

予定調和のお伽話

 ロングランを続けるこの舞台を一度は観ておきたいと思った。物語は簡単だ。砂漠の野獣王国のライオンの王子は父国王を叔父の謀略で殺害される。まるでハムレットそのものだ。やがて成長した王子は仲間たちの協力と幼なじみの女性の励ましによって叔父と対決する。
だから話自体は予定調和で面白みはないが逆にいうと安心して観ていられる。そのせいか夏休みのせいか、家族連れが圧倒的に多いのも驚異だ。なにせ一席一万一千円だぜ……金のことをいうのは気が引けるが驚いたことは間違いない。ここにも一種の格差が隠れているのかもしれない。
様々な技術を駆使した表現方法は、やはり目を見張るものがあったが、意外だったのは舞台の間口が狭いことだった。それもなぜか上下(かみしも=左右)の大臣柱(袖幕のある太い柱)が舞台の中央に向かって狭くなっているせいなのだ。だから広大な世界が感じにくい。
もう一つびっくりしたのは少年時代を演じる10歳前後の二人の少年少女の演技の上手さだ。台詞の切れ味といい激しい動きの的確さといい驚異だ。しかも全国の何カ所にも分かれての長期上演だから、この少年少女が何人もいる訳だ。こういう一種の英才教育から何かが育つのだろうか?