演 目
オレンジ色のキャデラック
観劇日時/07.8.1
劇団/青年座
公演回数/スタジオ公演 八幡ムードメーカー Vol.2
原作/高義治 脚本/比佐廉 演出/磯村純 装置/根来美咲 照明/宮野和夫 照明操作/次田満夫
音響/藤平美保子 舞台監督/今村智宏 宣伝写真/大庭元宣伝美術/岡崎充宏 
イラスト/イナチミツタケ WEB/NATALIE 衣装/TRB 方言指導/TRB
劇場/下北沢・『劇』小劇場

戦争告発の議論劇

 00年、広島のある高校の軽音楽部。軽薄そうな3人の高校生、友達の女子高生。そこへ東京から転校生が入ってくる。5人の様々な高校生らしい軽薄な葛藤と、若者らしい夢が語られたりする。
突然、舞台の一隅で、45年8月のエノラゲイでの4人の男と一人の女のこの戦争に対する議論が描かれる。エノラゲイというのは広島に原爆を投下した爆撃機だが、反戦論者の政治犯収容所のようなところのようにみえる。かなり抽象的で構造がよく分らず、虚構として象徴的に表現する意図なのかとも思われる。
この00年と45年との二つの激越な議論劇が一つの舞台で並行して演じられる。もちろん同時進行ではなく交互に進むのだが、それは互いに交差しているようでもあり影響しあっているようにも見え、45年のグループはまるで00年の高校生たちに心理的に影響を与える亡霊のようにもみえる。
余りにも生な議論と、軽薄な高校生たちが突然目覚めたように戦争と原爆について硬派な議論を闘わすのが、やや不自然な感じがする。
タイトルの意味は、この高校生の一人がバーテンダーの名人になる夢を語っているのだが、その新作カクテルの名前が『オレンジ色のキャデラック』であったのだった……
出演者は、川上英四郎・松来俊・松井伴憲・万善香織・石井揮之・森下了太 大林洋平・山崎秀樹・
     大門真紀・高義治・中野博文
役名と出演者の名前が一致しないので、出演者名だけ紹介します。