演 目
超訳 『オセロー』
観劇日時/07.7.20
楠美津香のロンリィシェイクスピア
劇場/シアターZOO

エネルギーと未整理と

 シエイクスピァの全作品38作を、たった一人で上演するという遠大な企画を立てて3年目。今度の『オセロー』が僕の観る3作目である。
この企画は壮大ではあるが2作を観て飽きた。それは全部が同じように見えたからだ。物凄い精力的であり、その驚異のエネルギーには感嘆する。これは演劇の大きな一つの魅力ではある。
現代の世相を取り込んで親しみやすく分かりやすく仕立てたのは良いのだが、それが各作品みんな同じように見えてしまうのだ。だから退屈してしまう。
なにせストーリィは分かっているしテーマも良く知られている。新しい解釈があるようにも思えないので、次を観る気がしない。
気になる事が二つ。キャラクターを際立たせる為に誇張が過ぎて、分り易いがマンガチックになったイメージが固定されすぎること。語尾がすべて「……なんですよ〜」という独特の言葉とイントネーションで終わること、これは個性ではない。『楠節』とでもいう悪癖であり聞きづらい。
これらは、恐らく自作自演の弊害であろうか。演出を付けて客観的視点を考えるともっとよくなると思われる。