演 目
僕たちの好きだった革命
観劇日時/07.3.16
劇団名/KOKAMI@netwark
公演回数/vol.9
企画・原案/堤幸彦
企画原作・脚本演出/鴻上尚史
美術/松井るみ
音楽/HIROSHI WATANABE
衣装/半田悦子
照明/坂本明浩
音響/堀江潤 
ヘアメイク/西川直子
振付/岡千絵
殺陣指導/藤榮史哉
演出助手/渡邊千穂
舞台監督/澁谷壽久
制作助手/藤野和美
制作/高松輝久・中山梨紗
プロデューサー/福島成人
制作/TPS・サードステージ
インスパイアソング/GAKU-MC
劇場/北海道新聞ホール

今、蘇れ、熱い青春物語

 1999年、30年前高校生だった山崎義孝(=中村雅俊)は高校全共闘の闘士だった。文化祭を巡る学園闘争の中で、機動隊の催涙ガスの直撃を受けてそれから30年、意識不明のまま眠り続ける。
そして今奇跡的に意識を回復し、身内で一人生き残った叔母が守った両親の保険金で、高校に復学する。
30年ぶりの母校・高校は無気力で貴方任せで、山崎には信じられない高校生活であった。
まもなく迎える文化祭には、あるクラスで憧れのインデーズ・ラッパーであるタイト・キックを迎えたかったが、学校側は禁止した。
それを聞いた山崎の心は燃えた。「われわれの文化祭は学校や教師のものではない。われわれ学生自身のものだ」という信念のもとに彼らを煽動する。
30年前の熱い高校生と、現代の醒めた高校生たちとのトンチンカンなやり取り……そしてその中から芽生える現代の高校生たちの熱い心……
片瀬那奈と塩谷瞬の演じる二人の男女高校生を軸に、高まりつつ崩れつつ、それでも輪が広がる。憧れのラッパーは放送禁止をきっかけにこの文化祭に応援出演を約束する。盛り上がる高校生たち、躍起になって押さえ込もうとする学校側……
お約束の葛藤があって、山崎は「正しいと思った信念を通すことに闘争の意義がある」と叫んで、30年前と同じく機動隊の催涙ガス弾に当って今度は本当に死ぬ。
高校生たちが見たのは、一場の幻だったのか? 山崎の母校は世紀末の生ぬるい高校生活に戻っていた……
舞台前面から奥へ4列の中割幕を、左右に開いたり閉じたりして瞬時に場所と時間を移動させ、映画のシーンのような激しい場面転換を巧く観せていた。
文化祭の前夜、中村雅俊の歌う岡林信康の『私たちの望む者は』に熱かったあの頃を想い、こっちの心も熱くなってくるのであった……