演 目
まだまだ先の話だけどね
観劇日時/07.2.17
劇団名/劇団しろちゃん
脚本・演出/片桐直人
劇場/BLOCH

予定調和の物語

 ある大家族の葬儀が始まる場面である。この大家族の複雑な人間関係が徐々に露になっていく過程が描き出されるわけだが、リアリテイがなくマンガチックで意外と予定調和なので退屈する。
例えば双子の姉妹がお互いに心情的に庇いあっていることの悲劇とか、父親が一方の娘だけを溺愛していたという誤解、血の繋がらない叔父姪の悲恋、悪叔母の悪巧み、僧侶の横恋慕、おとなしいと思っていた双子の姉妹の一方の子が突然博才に長けていたと思ったら実はその初歩的ないかさまを父親が見破ったと思ったら、実はそれは母親のシナリオだった……
余命少ない父親が、娘に「ヒッピー精神で生きろ」と言ったとき娘は「ヒッピーって何?」と聞く。「すべての柵から離れて自由な生活を目指す行き方だ」「フリーターじゃん」この年代差……この芝居は、家族愛のハッピーエンドの物語りなのだろうか?