演 目
B計画
観劇日時/06.11.25
劇団名/SK・GROUP
公演回数/第22回公演
作・演出/すがの公
照明/相馬寛之
音響/糸川亜貴
衣装/井嶋麻紀子
舞台美術/すがの公
小道具/小玉理恵
楽曲提供/SE―NO
劇場/シアターZOO

妄想の人たちか?

 話の設定が、横内謙介・作の『ジプシー』にそっくりだ。もちろん、モチーフや物語そのものは確かに違うけれども……
工事中のマンションへ深夜、入居予定者が訪れる。そこにいたのは宇宙人と称する3人の人達だった。
 彼らは一種の心を病む人達であって、新興宗教のような集まりらしい。入居予定者も何かを探していたらしい。つまり、ここまでの設定が『ジプシー』の冒頭部分にそっくりなのだ。初め、びっくりすると同時にもしかしたらパロディなのかなと思ってしまったが、故意か偶然かそこまでが同じであって、以下は全く違う話の展開であった。
 最後にこの男と3人の内の女は夫婦であるらしいが、何かが溶けてこの二人が崩折れて抱き合う。
 「らしい、らしい」の連発だが、すがの戯曲は、いつもわざと分りにくくでもするかのように、勿体振って分りにくいのが特徴なのだ…
 様々な妖しい問題が起こったり、最後はそこに尋ねて来た男の妄想であったかのような、何となくよく分からない結末……壮大な意図が、個人的な状況に押し流されて崩壊していく悲劇なのか?
 造り込まれたコンクリート打ちっ放しの舞台装置のリアリティは素晴らしいが、壮大なB計画は感じられず、冗談の妄想のような印象が残った。