演 目
茶の間刑事
観劇日時/06.11.25
劇団名/たんず劇場
作/佐渡留
演出/たんず劇場
音楽/佐々木拡
照明/土屋知恵子
衣装/松本正和
宣伝美術/守分美佳 
制作/阿部恭子・高橋聡・波多野ゆかり・中野英一・天満圭一・木村梨絵
出演/中島利克(老刑事)・伊藤裕子・枡崎美穂・西村光代・オジョー・ことみ・谷崎尚之
   中島利克以外は役名が発表されていないので不明。
劇場/ことにパトス

古き良き時代の人情喜劇

 ある地方警察署の畳の宿直室。今どきあんまり現実にはないような懐かしい空間。
所内では通称「茶の間」と呼ばれ、この部屋の主(ぬし)は野間老刑事。何故か今夜は帰りたくない。同じ署の総務課に勤務する娘が、ぜひとも今夜は彼氏に会って欲しいと頼み、約束をしたからだ。先週もその約束をすっぽかした前科があって今日こそ抜き差しならない。
老刑事は、何か事件をデッち上げなければならない。そわそわしながら、いつも出前を頼む食堂まで電話して、何か微罪でもいいから犯罪の匂いのすることがあれば、すぐ連絡するようにと頼み込む。
そんなとき都合よく、駅前の占い師が暴力事件を起こした。微罪だし今すぐ取り調べる必要もないが、俄然張り切る野間刑事。
やがてこの占い師の正体が、野間によって推測されていく。男と女。父親と娘の、微妙な心理関係が、二人の間で語り合われる。
ちょっと古めかしい人情喜劇として、脚本・演出・演技とも充分楽しめたが、僕にとってはむしろ懐かしい古き良き時代の懐旧にあった。こんな刑事ももう居ないだろうし、こんな古めかしい娘も多分、居ないだろうな……そしてすべての登場人物たちの存在……