演 目
イージー☆ライアー
観劇日時/06.11.16
劇団名/イレブン☆ナイン
公演回数/第3回公演
作/納谷真大
演出/久保隆徳
音響/三浦淳一
照明/廣瀬利勝
演出助手/森上千絵 
舞台監督/杉野KC
舞台進行/東誠一郎 
制作/太田竜介・角田亜紀
宣伝美術/水津聡
劇場/滝川市「たきかわホール」

劇場による違い

 一昨日、深川で観たこの芝居、ラストに近く近所の三角公園でのブランコのシーンがとても印象的だったので、もう一度観ることにした。
深川の劇場は、舞台のタッパも高く奥行きも、上下(左右)の袖とも、たっぷりとあるので、あのように天へ届くような幻想的で透明感のある、そしてブランコを釣っている白い紐も、現実には有り得ないような長い直線が、幾何学的な美しい模様を作っていたと思われた。
それに較べてたきかわホールは客席のキャパも含めて演劇のホールとしてはかなり条件の良い劇場なのだが、残念なことにはもともと映画館であったために、舞台の条件がはなはだ制約されている。
そこでこの舞台で、どんなブランコのシーンが現れるのか? という興味があったのだ。もしかしてこのシーン、別の方法で表現されるのではないのか? などと思うと観に行かずにはいられなかったのだ。
芝居自体は特に変わった要素は感じられなかった。単純な話だから、一回観ればそれ以上のものは出てこない可能性が高い。
そこで問題のシーンだ。あの狭い舞台上でまったく同じ演出・演技だった。そのこと自体もちょっと期待はずれだったが、やはり低いところからの釣り紐は現実感が強く生臭い感じであった。特に絡まるところは深川のように綺麗な幾何学模様にならず、いかにも縺れた様子で現実感が強い。どちらが良いとか悪いとかの問題じゃなく、劇場の条件によってこんなにも印象が変わるのかという驚きであった。
多分それは劇場の条件だけの問題だけではなく、さまざまな要素によって受け取り方が違ってくるんだろうと思うと、ますます芝居の魅力に嵌まり込んでいく予感に捕らわれたのであった。