演 目
詩人の恋
観劇日時/06.1114
劇団名/加藤健一事務所Vol.64
公演回数/旭川市民劇場11月例会
作/ジョン・マランス
訳/小田島恒志
訳詩/岩谷時子
演出/久世龍之介
劇場/旭川公会堂

心に傷を持つ男たち

 声楽家としては落ちぶれた音楽大学の教授(=加藤健一)のところへ、これも自信喪失の若いピアニスト(=畠中洋)が、間違いでヴオイス・トレーニングに訪れる。
お互いに心に傷を持つ二人は、反発しながらも次第に友情を感じる関係になっていく。
本筋は「詩人の恋」を歌う内に交流していく話なのだが、実は二人ともナチスによる心的障害をもっていることが分かってくる。僕が観た感じでは、その理由によって次第に心が交流する話の方が強く印象的だった。
ただ問題なのは、長過ぎるということだ。休憩を入れて2時間半というのは単調な物語だけに飽きる。いかに二人のデュエットが素晴らしくても、交流への過程が感動的でも、教授のケチぶりが度外れているのが滑稽でも、やはり退屈するのだ。僕の周りの高齢のご婦人方も、やっぱり舟を漕いでいたし、僕もチラチラ首が下を向いた。