| 演 目 Who Are You ? Who Am I ? 観劇日時/06.10.22 劇団名/ＲＵＳＨ!! 公演回数/第7回公演 脚本・演出/髙橋逸人 照明/大橋榛名 音響/石嶋南絵 劇場/イベントスペースEdiT （札幌東急ハンズ裏の雑居ビル地下ライブハウス客席は舞台空間と床続きの約50席） |
| 第３回目の変奏曲 サブタイトルは「いまさらですが、『自分探し』してみせんか？」とあって、まさにそのまんまの芝居である。 ２年前に初演され、すぐその２ヶ月半後に改訂版が再演されて、今回はさらにそれから２年半後の再々改訂版の上演であった。 初演は、物語が複雑であったが内容は率直で判り易く素直に楽しめた。そのとき僕は、大いに賞賛した記憶が蘇った。 再演は、物語がまったく変更され抽象化されていて分かり難くなってはいたが、初演も再演も共に、「人は自分の存在を自分では決められない。他人によってしか決められない」というテーゼを表現した、いってみれば人間肯定・人間賛歌の芝居であったといえよう。 といっても決して難解なものではなく、エンターテインメント風な楽しめる表現であった。 そして今回は、男鎌田真吾というファンクシンガーをメインにして、この男の情熱的で真摯な生き方を追ったより単純な物語だが、やはり広い意味での自分探しの物語であったようだ。 意外だったのは、このファンクシンガーという男鎌田真吾という歌手の歌が聞かせたことだった。ややハスキーでパンチの効いた声が、力強くそして滑らかに動く全身に乗って歌い出されると、この初めて聞くジャンルの歌唱が戦慄的な魅力をもって迫ってくるような感じであって感動した。 今日の舞台は、ちょっと意外かもしれないが、芝居自体よりこの歌唱を聞けたことが大きな収穫であったような気がした。 その後、またこの『Who Are You? Who Am I? 』という作品の、３部作第２段というものが07年２月に上演されるという情報を得た。これはつまり初演・再演・今回の上演という三部作再終形の進化形であるらしい。男鎌田真吾も参加するということだ。 最近（07年１月）身辺の事情で、この上演を観ることが出来ないのが残念だが、続いて５月にはこの第３段の完結編が上演されるという情報も得た。 この執念ともいうべきこだわりに期待して、５月を待ちたいと思うのだ。 |