演 目
賭けること
観劇日時/069.22
劇団名/コットンクラブプロデュース9
作/中西良太 
演出/中嶋しゅう 
舞台監督/松本仁志
制作協力/トム・プロジェクト
劇場/旭川公会堂

大らかなシチュエーションコメディ

 妻(=阿知波悟美)からの緊迫した電話で200万円を用意して帰宅した夫・宮本(=河西健司)が見たのは縛られた妻と覆面のピストル強盗・田辺(=中西良太)だった。
夫と入れ替わりに妻は夫を見捨て逃げ出す。強盗は気の弱いガソリンスタンドの経営者で、切羽詰って出来心で強盗を働いたのだ。
妻の不信を感じた夫は、強盗と意気投合し何とか強盗を逃して妻を糾弾しようとする。
人質の夫と強盗は相談して、替わりの人質として婦警を要求する。来たのは妻とそっくりの婦警(=阿知波悟美・二役)だった。
そこからこの3人の、つまり強盗と被害者と婦人警官という変な繋がりの奇妙な友情と社会正義志向の団結行動が始まり、でも事態はどんどんこじれる。一種のシチューションコメディとして場内の爆笑を誘いながら展開する。
適度な権力批判と弱者への眼を折り込んで、快調に進む。こういうシチュェーションは得てしてご都合主義になりがちだが、この話の展開は無理がなくおおらかに爆笑出来たのであった。
ラストが終わったかと思ったら続きがあって、それがまた続きがあり、何回も何回も繰り返されるのだが、それもあまり嫌味にならず爽やかで楽しい幕切れであった。
外からはしきりに情勢を問う警察車からのスピーカの説得が聞こえて緊迫感を煽るし、どういう終り方をするのか予想がつかない面白さが楽しめたのであった。