演 目
電撃! 忠臣蔵
観劇日時/06.9.16
劇団名/劇団怪獣無法地帯
作・演出/棚田満 
照明/大橋はるな 
音楽/今井大蛇丸と海底軍艦 
音響操作/久保田秀和
その他 多数
劇場/コンカリーニョ

何故か滑った喜劇

 この作者の戯曲は、権威や秩序を軽くおちょくり低い視線から野次を飛ばして横からニヤニヤしているところが魅力なのだ。おそらく今度の舞台も意図はそこにあったと思うのだが、なぜか滑った、何故だろう? 大石一統と吉良方の対立が中途半端だったのだろうか? 
せっかく大石の影武者を登場させたのに、吉良方の権謀術数が巧く描ききれなかったのか? 遊びが外れ過ぎて収拾がつかなくなったのか? ?だらけの観劇感だ。
トップシーンの討ち入り場面はさすがと思わせ、壮絶なチャンバラは何かを突き破るエネルギーを訴え強烈なインパクトが確かに伝わり、ある迫力と緊迫感があって期待感が高揚したのだが……
遥泉院と大石の別れの場面など魅せるシーンなどがきちんと表現されているのに惜しいという感じだ。せっかくの実力のある役者たちが多数出演しているのに残念だった。もうひとつ破れない感じが焦慮を産み、ナンセンスにも徹しきれないものを感じたのだった。

出演/小林テルヲ・宮沢りえ蔵・長流三平・濱道俊介・藤野羽衣子・伊藤しょうこ・新井田琴江・板谷博文・棚田満・重堂元樹・新貝伸二・渡辺豊大・浦本英輝・
荻田美春・忠海勇