演 目
OH! かみよ
観劇日時/06.9.15
劇団名/第56回高文連北空知支部演劇大会/瀧川西高校
作/五十川志織(滝川西高校演劇部員)
潤色/加藤識泰(滝川西高校演劇部顧問)
スタッフ・キャスト/全員滝川西高校演劇部員9名)
劇場/芦別市民会館大ホール

説明調でインパクトが弱まった喜劇

 ここも同じく女子ばかり……すこしひねった物語だ。作品紹介によると、「世界ノンカーボン宣言により、紙が一斉になくなる日がやってきた。紙が消えると日常生活はどうなってしまうのか。そして気にも留めていなかった身近なものが無いと分かった時、動いた気持ちとは……」とあり、舞台を一番「紙」を使うであろう新聞部にとって紙と電子機器、主にパソコンや携帯電話との対比で面白さを描く。
新聞部の落ちこぼれの女子部員(=五十川志織)は、今部内でも主流の電子機器、パソコンも携帯電話も苦手で、もっぱら紙のメモを使っていたので「原始人」と呼ばれていたのだが、彼女がもっとも困っている状況の時に見せる、喜劇的で軽やかで、しかも一拍遅れるようなドジっぽい演技が滑稽で快調だ。
最後は彼女が拘った一枚の小さな紙片が、心のつながりの大きさを再認識するというホノボノ路線であった。
全体にやや説明調なのが気になった。特に書道部が文字と紙の歴史を説明するのは、蛇足か?
正面切って演技をしたり、夕日に向かって青春するのは臭い。逆にその臭さをわざと狙ったか? モチーフは誰でも考えるようなものなので、一捻りしようとしたことが逆に欠点になったのか? しかし練り込んだら面白い作品になると思う。