演 目
映 画/ゆれる
制作/06年製作委員会製作
観劇日時/06.9.7
原案・脚本・監督/西川美和
劇場/シアター・キノ

裁判心理劇

 裁判を通して明らかになっていく、二人の仲の良い兄弟の心理葛藤劇。
気の良い優しい兄(=香川照之)は、田舎で父(=伊武雅刀)の経営するガソリンスタンドを手伝っている。弟(=オダギリ ジョー)は東京で写真家としてそれな
りに活躍している。
母親の死で帰郷した弟は兄のスタンドで働く幼なじみの女(=真木よう子)に再会する。お互いに好意を持つ二人はその晩、結ばれる。雰囲気を察した兄は女に気があったからモヤモヤが収まらない。といって確証もないのだ。
3人は山奥の渓谷へピクニックに行く。弟が離れた時、兄と女が危ない吊り橋をわたる。女が転んだ時、兄は助けようとしたのか? つきおとしたのか? 
裁判で兄は助けようとしたと証言する。弟は何故か、つきおとしたと証言する。伯父の弁護士(=蟹江啓三)
の困惑……
実刑7年。出所を頑なに迎えに行かない弟は、子供のころ仲の良かった8ミリ映画のフイルムを観て涙を流す。
仲が良かったと思っていた兄弟が、女の存在で変化したのか本音が出たのか、絆の脆さに人間の本質があるのか、怖い心理劇。