演 目
タクラマカン
観劇日時/06.8.11
劇団名/秦建日子プロデユース
公演回数/札幌演鑑8月観劇会
作/秦建日子 
演出/松下修 
舞台監督/大山茂樹
音響/大石こんた 
照明/島田昌明 
殺陣/武田滋裕
演出助手/美元 
プロデユース/秦建日子・上野真香人
劇場/かでる2・7

直接的な熱血物語

 大勢の登場人物、複雑で入り組んだ展開。それらを一々説明してもあまり意味がない。考えてみればそれほど面倒な筋だてではない。
「人でなし」と呼ばれている、ある浜辺で生きている集団の人たちと、そういう人たちの集団を排除しようとする権力たちの対立のバトルと、その中に生まれた恋と友情との物語。だから話は割と単純だが、2時間半の長丁場をスピードと圧倒的なエネルギーで走り抜ける。
まったく何もない、といっていいほどの素舞台で、迫害されている人たちが「あの国」という一種のユートピアを目指しながら挫折するという、今どき珍しいロマンチックな話だ。
こういう話、僕は嫌いではないが、余りにも図式的表面的で余韻が少ない。指揮官の女性少尉の葛藤も、そう来るだろうなというような、如何にも「作りました」という感じだ。
タクラマカンというのは、かつてのオアシスで今では砂漠に埋没した都市のあった地方のことらしいが、そんな場所に幻のユートピアを求めた雰囲気がどこかにあるかと期待したが、どうもそれらしい期待は外れた。
出演は、大谷允保・築山万有美・納谷真大・滝佳保子・小野真弓・井元工治・白国秀樹・渡辺紘平・浦中杏奈・井筒洋介・五十嵐貴子・松下修・その他14名
終りに近く、このその他14名の集団との、15分以上に亘る大乱闘シーンが迫力満点で、見応えがあったのだ。確かに痛快であったのだ。