演 目
暁の鐘
観劇日時/06.7.30
劇団名/かなぎ堂
上演回数/第1回公演
脚本・演出/茂内晃史 
舞台監督/上田知 
照明/岩ヲ修一 
舞台/石坂久志 
衣装/田村舞子
音響/松井ひろみ・菅原琢真・配川義弘
小道具/白石和実・阿部純衣 
制作/小林花絵 
制作協力/佐藤良美
劇場/シアターZOO

メアアートの青春版

 映画制作に賭ける芸術的情熱と、集団の人間関係を重視する対立を描いた一種のメタシアター的演劇。
屋上からの夕焼けの美しさに魅せられた高校生3人がこの大学に入って映画研究会に所属する。映画制作中に一人が突然失踪し、一人は独立して映像クラブという別組織を作る。失踪前日二人が口論していたという噂が流れる。友情と姉妹愛を絡めて、失踪した一人をさがす作業が始まる。
高校時代、映画部で仲の良かった橘ゆき(=白石和実)と花沢春奈(=田村マイコ)、そして空木正太郎(=石坂久志)の3人は、憧れの大学に揃って合格し、映画研究会に入る。
しかし何故か春奈は失踪し、「ゆき」は映画研究会を脱会し映像部を独力で作り上げる。翌年、映像部には春奈の妹の「しろ」(=小林花絵)が入ってくる。
春奈失踪の前日、春奈と「ゆき」が口論していたという噂が流れる。「ゆき」は否定するが、正太郎の追及によって、映画制作の対立が原因だったことが分かる。
春奈は自分の映画の完全を求めて、外国まで被写地を探していたのだった。そのことを知っていた「ゆき」だが、映画制作は仲間の協力作業の方が大事だと主張して別れたのだった。
心配する妹の「しろ」が、心当たりを尋ねて「ゆき」探索の旅に出る。最後は甘いハッピーエンドになったし、映画芸術の鍵がラストシーンの綺麗な夕焼け風景というのも観念的だが、若い心情の芸術的対立というテーマは分かり易い。
私事ながら僕も20歳のころ、全く同じようなイメージの物語りを考えて失敗した経験があったので、懐しいような作品であった。